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Seminars Japanese

座標測定機(CMM)を使用した様々な測定や検査で,事前に,あるいは測定後に不確かさを評価しようとした経験はないでしょうか.実際に測定の不確かさを評価しようとすると,それは一筋縄ではいかないことに気づかれると思います.すでに出版されている規格(ISO 15530/JIS B 7443 シリーズ)は,不確かさを求めるときの参考になります.けれどもほとんどの場合,不確かさの評価には多くの経験と知識が必要になります.そのため,CMMを使用した測定と検査では,測定の不確かさを考慮することは稀です.

検査を目的として測定をする場合,測定の不確かさが分からなければ検査結果が正しいのかどうかが分かりません.それでは検査の目的を果たすことができるでしょうか.

EUが資金提供しているプロジェクトEUCoM(Evaluating the Uncertainty in Coordinate Measurement)では,CMMによる測定の不確かさを求める,という厄介な作業を支援することを目的としています.産業界でのほとんどの検査では,測定の不確かさは正確な値である必要はなく,「高々いくらである」という上限値で十分です(PUMA method,ISO 14253-2参照).

このプロジェクトでは測定の不確かさを評価する2つの方法が開発されました.1つは実験計画による方法です.CMMによる測定の不確かさ要因について事前の知識はほとんど必要ありませんが,追加の測定が必要です.もう1つはCMMの事前情報のみに基づいた方法で,そのCMMを使用した測定の不確かさの予測が可能です.。

この度はプロジェクトの概要とその成果である不確かさ評価法を紹介するため,オンラインで EUCoM セミナーを開催いたします.

本セミナーは,2部に分けて開催いたします.第1部の共通セッション(英語での講演となります)では,プロジェクトの背景と産業界にとって関心のある成果ならびに,実際の測定不確かさの評価事例をご紹介いたします.第2部の各国セッション(日本版セッションは,日本語での講演となります)では,不確かさ評価方法の具体的な方法などをご紹介します.詳細は以下をご覧ください.

本セミナーは,どなたでも無料で聴講いただけます(事前登録が必要です).

 

 1部(共通セッション):

セミナーにどのようなことを期待されますか?

  • CMMによる測定における,最新の簡便な不確かさ評価法
    • 製造現場から管理部門まで,それぞれの産業界ユーザのニーズに応じた技術内容
    • 開発された不確かさ評価手順へのフィードバック
    • 今後の標準化活動についての情報
    • 英語および各国言語で開催されるワークショップ
    • ヨーロッパ内のCMMによる測定と不確かさ評価の専門家とのネットワーク

 

開催日: 2021629日(水)

開催方法: オンライン

登録: セミナーの聴講申し込みは こちらから

講演:

1) 16:30 –17:15

(日本時間)

(9:30 – 10:15 (ヨーロッパ中央時間))

Importance of uncertainty Alessandro Balsamo (INRIM)
2) 17:30 –19:15

(日本時間)

(10:30 – 12:15 (ヨーロッパ中央時間))

“A priori” method

“A posteriori” method

Osamu Sato (NMIJ)
Wojtek Plowucha (ATH)
Alistair Forbes (NPL)
休憩
3) 20:30 –21:30

(日本時間)

(13:30 – 14:30 (ヨーロッパ中央時間))

Application and results Josef Frese (PTB)

 

2部(各国セッション):

各国セッションは,個別に開催されます.それぞれのセッションの開催情報は,以下のテーブルのリンク先をご覧ください.

開催日: 2021716日(金)

開催方法: オンライン

登録: セミナーの聴講申し込みは 共通セッションと同じです.

講演:

13:30 –13:35

(日本時間)

開催のご挨拶 佐藤理

(産総研)

講演   題目(仮)
1) 13:35 –14:15

(日本時間)

(9:30 – 10:15 (ヨーロッパ中央時間))

総論 高増潔

(東京大学名誉教授)

2) 14:15 –14:55

(日本時間)

(10:30 – 12:15 (ヨーロッパ中央時間))

分散分析による不確かさ算出法の紹介 佐藤理

(産総研)

休憩
3) 15:10 –15:50

(日本時間)

(10:30 – 12:15 (ヨーロッパ中央時間))

CMMのプローブ回りの不確かさ要因 千葉雄太

(レニショー)

4) 15:50 –16:30

(日本時間)

(10:30 – 12:15 (ヨーロッパ中央時間))

簡易的手法による不確かさの評価 清水洋

(長野県工業技術総合センター)

フリーディスカッション
16:30 –17:00

(日本時間)

質疑など 佐藤理

(産総研)